ドイツ語で面白い言葉が一つあります。Reisefieberという言葉です。私の母が小さい私に教えてくれた言葉でもあります。日本語に直訳すると、「旅行熱」となりますが、どういう意味なのでしょうか?そして、旅行の時に仲良く過ごすこととは、何か関係あるのでしょうか?
Reisefieberとは、「とても旅行したい気持ち」や「いっぱい旅行しました気持ち」などではありません。旅行の時に発生した熱の話でもないです。Reisefieberは、旅行の出発ちょっと前に起きる小さい不安のことを指しています。荷物をうまくまとめたのか、何か忘れ物をしていないのか、などなどという不安。
人の性格も様々ですが、Reisefieberになる人とならない人がいます。私の母はなる人だから、小さい時にすでに私にその言葉を伝えました。出発するたびに、母は前から一生懸命準備を進めて、緊張が高まったら、とりあえず一息休みます。椅子に座って五分を待ちます。そして出来るだけ、Reisefieberにかかっている自分を落ち着かせようとしています。

こうやって育って来た私も、Reisefieberにかかることがよくあります。そして、とりあえず準備を前から進めて、椅子にゆっくり腰をかける時間を必ず作ります。旅行の直前にわいてくるぷち不安を迎えるためにかかせないのです。
仲良く二人で旅行するためにも、お互いのReisefieber状態も見つめるのが大切です。許して理解しあうというか。そういう不安だっで、誰にでもあったりします。いい意味での緊張感かな。
旅行がある程度なれてきたらReisefieberが小さくなったり収まったりするとは言えます。言えますが、完全になくなることがないでしょう。だって、旅行先には何が起こるのか、ぷち楽しみわくわく感の症状でも希望でもあるからです。
母が教えてくれたこの気持ち。