去年12月にワシントンDCにプッチ旅行をしました。その時にMさんにとてもお世話になりました。雪吹雪のため電車も止まっていて、Mさんのアパートで缶詰をしながら読書を楽しんでいました。二人でアメリカ生活についてもお話しました。
仕事のためにDCに短期滞在しているMさんは、30歳の女性で、7年半前に中国からアメリカに引っ越しました。日本語の勉強もしていて、外国に住んでからは、さらにアジアの文化に興味を持つようになったそうです。
以下は、英語で話した内容を日本語で纏めたものです。
移民生活
「自分のことは、いつも中国人だと思います。移民として区別される・見られるでしょうけど、移民だとは思いません。」
「アメリカには、大学院に入るために来ました。卒業してからは、仕事を見つけて大学で就職しました。四年前に結婚しました。夫も中国人でイギリスで博士号を取って、同じように大学で務めています。出会ったのは、学部生の時でした。」
「私のアメリカの同僚は、私が勇気があるように思っているみたいです。自分の国を離れて、遠い国まで来て、こんな仕事をして。私からすると、移民するというのは、意外とよくあることだと思います。でも、私の同僚はあまり移民の人たちを知らないのです。」
「毎日の生活は、移民でもじゃなくても、みんな同じです。社会的な付き合いになると、違いますけど。私は、アメリカ人と比べたら、多くの移民友達がいます。そして中国に住んでいる友達とは、インターネットを通して連絡をしています。」
「移民であることは、確かに私の生活に影響を及んでいます。毎年一二回ぐらい中国に住んでいる親を訪ねたいと思います。お爺ちゃんお祖母ちゃんも年をとってきて、親もそろそろ退職します。親はいつも私のために仕事をしてくれました。親にもっと自由にして時間を楽しんでほしいのです。何か趣味を作ったりして。」

差別
「アメリカ人の同僚は、性差別に対してはとても敏感ですが、私は差別を気づかない時が多くあります。英語だとマイクロアグレッションと言います。アメリカに来る以前は、女性が男性より仕事が下手だとか、出来ないとか、一切そういう考え方には出会わなかったので、私もそういうふうに考えていません。アメリカの女性は、よくそういう考え方に出会っているので、気づくのです。」
「中国も、仕事場における性差別があります。特に25歳上の女性の場合は。しかし私はそれを経験していません。」
「アメリカだと、person of color(欧州人でなく白人でない人)として区別され、とても不思議な感じがします。なぜかというと、person of colorという言葉が、白人優越主義や差別などとても長い歴史を持って、私はその歴史の一部であるとは思わないからです。中国は、経済的に強くなりつつあるし、中国人の人が劣っているとは思いません。」
帰属意識
「生まれ育った環境とは全然違いますが、ここの仕事場とか、この環境とか、友達とか、私も一員である・属しているを感じます。でも、自分がみんなと違うようには思います。移民だからかどうか、わかりません。移民とは無関係かもしれません。ただただどこか違います。」
「中国人の学生がアメリカに来ると、よくグループになっています。私はそれが苦手です。せっかくアメリカに来てるのならば、どうして中国とは同じ生活しているのでしょう。友達を作るというのは、化学です。同じ出身の人ならば、どこか似ているところを持っているということだけで、それ以上何かあるはずです。」
「外国で勉強するのは、簡単ではありません。場合によっては、家族の近くに残ったほうがよいのかもしれません。言語力がなければ、大変ですし。中国の中だと競争が激しいから、外国に出かける人がいます。アメリカで勉強すれば、出世しやすくなると思われます。実は、国に残ったほうが幸せかもしれませんけど。私と夫は、大学で教えているので、アメリカでの環境がとてもよいです。ここに残るということをあまり悩まずに決めたのです。」
「いつまでアメリカに住むのか、わかりません。子供が出来たら、離れにくくなります。いい選択をしたいです。」