コロナの季節が長引いて、外国へ出かけるチャンスがとても少ないです。留学も出張も、旅行さえとても減っています。この時こそ、昔自由に様々な国に行っていた時期を思い出すと、夢のような過去の世界に見えてきます。
外国へ出かけるのは、楽しいことがたくさんあります。その分苦労することもあるのでしょう。食事がその一つのではないかと思います。日本語で書かれた海外旅行のガイドブックには、レストランや食事の説明がとても細かいです。写真や絵もつけられているので、なんとなく外国で食べてみたい、食べないといけない料理のイメージが出来やすいです。
それに比べて、英語でのガイドブックは料理の説明がテキストだけでやり勝ちなので、知らない国の料理ってなかなか想像しにくいです。さらに、その国の言語がうまく話せない、その国の料理がほとんど食べたことがない、という国に行ってしまうと、本当に戸惑います。

昔々、初めて韓国に行った時に、とても大変でした。ほとんど韓国の料理を食べたこともなく、韓国語も話せていなく、しかも学生だったので、限られた予算の旅行でした。レストランに入ると、壁にいろんな料理の写真があって、美味しそうなものを指で指していて、頑張って頼んでみましたが、出てきたものがぜんぜんイメージと違うものでした。毎日微妙にお腹がすいていて過ごしました。「この国には美味しい料理がないな」と思い込んでしまいそうにさえなりました。
ようやくある日、韓国に住んでいる友達に会って、その人が私をレストランにつれてくれて、いろんな料理を頼んでくれました。そのご馳走してくれた時に一週間ぶりに笑顔になりました。「本当に美味しいんだ、お代わりしていいのかしら?」と友達に勝手なことを言いました。いきなりお腹がとてもすいてきました。その時に、韓国にはとても美味しい料理とお店があるのだが、自分がそれへのアクセスが知らないだけだとわかりました。
短い旅行は、ちょっと困ったとしてもなんとかなりますが、一か月やそれ以上の長い滞在になると、食生活に本当に気を付ける必要があります。その時、二つの戦略があります。その両方の同時進行が一番よいのでしょう。
一つ目は、現地の料理に同化していくパタンです。その国の料理に食べ慣れていく食べ方です。いきなりは難しいかもしれませんが、少しずつやってみると、だいぶ慣れてきます。現地の料理に同化していくのは、合理的なやり方です。その国の料理がその場所にある食材を一番美味しく合わせているはずなので、値段からもアクセスからも、手に入れやすい料理となります。
私は、長い間、辛い料理に慣れていなくて、韓国に行く時に大変でした。でも、少しずつ訓練してみたらだいぶ慣れてきました。韓国料理の中にも、辛くない料理、甘味を出している、酸っぱみを出している料理も多くありますので、少し探してみれば自分に合う味がどこかその中にあるはずです。
そこに、二つ目の戦略に出会えます。現地の料理の中で自分の口に合う料理を見つけるパタンです。油の味、塩の味、酸味、というのは、どこでも共通なものであります。その見た目、形、運んでくれるものの歯ごたえなどが違うのかもしれませんが、味の軌跡が世界のどこの国にも共有されているものです。
この数年、私がストレスがたまった時あるいは疲れた時、何を食べたくなるかというと、キムチ鍋です。キムチ鍋を食べながら生まれ育ったわけではありませんし、辛いものを小さい時から食べてきたわけではありません。でも、キムチ鍋の中にあるそのキムチの酸味と、豆もやしのしゃきしゃきな歯ごたえ、豆腐のまるやかな味など、私を安らぎさせてくれるのです。さらに、自分でキムチ鍋を作る時に辛さの調整が出来ますので、一番自分の口に合うように作れます。

日本に住むようになった時からも、最初は食事をとても苦労しました。結局、現地の作り置きのや献立の本を買って、それにそって買い物して料理を作るようになってからは、お腹がとても幸せになりました。料理も、食べる習慣も、勉強出来ることです。
次にいつ外国にいって食事が出来るのがわかりませんが、その時までいろんな料理を勉強しておきたいと思います!